女性が欲しがっているのは、超一流ホテルのような扱われ方?
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超一流ホテルは、なぜ超一流なのか。
それは設備や什器が超一流だからではない。
豪華な設備や什器を備えるだけで良いなら、お金さえあればすぐに超一流ホテルになれる。
そうであればちょっと不況になれば、毎年のように超一流ホテルの倒産がニュースになってもよさそうな話だが、潰れるのは超一流ではなくて、超一流ホテル以外のホテルである。
つまり超一流なのは設備や什器のせいではなく、顧客の扱いが超一流で、高い金を払うだけの価値があるのだ。
そして、もう他のホテルには泊まれないなと顧客を思わせるから、超一流ホテルは潰れない。
超一流ホテルでは、自分のホテルに一回でも泊まった顧客なら、全てのサービスを記録して、次回の宿泊に備える。
飲み物は何が好みなのか、ワインは何がよいのか、食事はどのようなモノを食べるのか、観劇やゴルフなどの趣味はあるのか。
枕や毛布などの寝具や、洗濯サービスの必要、問い合わせの内容など、宿泊している間に顧客が行動したことを逐一記録して、次回の宿泊に生かそうとする。
そうすると2回目に同じホテルを訪れたとき、自分が泊まる部屋は、何も言わないでも自分に合わせた枕や寝具が整っており、何も言わずともワインリストやゴルフコースの案内が出てくる。
そして3回4回5回と、同じホテルに泊まるともう、全く自分にカスタマイズされたホテルになってしまい、他のホテルに泊まったとき「気の利かないホテルだなあ」と感じ、他のホテルには泊まれなくなってしまうのだ。
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本当は特別ではないが、特別扱いに感じるサービス
超一流ホテルというのは、泊まる回数が増えれば増えるほど、自分にカスタマイズされた部屋やサービスが用意されるようになる。
いわゆる「常連さんの特別扱い」みたいなもので何も言わずとも自分が必要とするサービスが、前もって用意されている。
しかし超一流ホテル側としては、そのお客さんを特別扱いしているわけではない。
どのお客さんに対しても同じ事をしていて、ゴルフをするお客さんにはゴルフコースの案内を、ワイン好きのお客さんにはワインリストを、観劇が好きなお客さんには演劇情報を、用意しているだけである。
つまりお客さんが求めるサービスをあらかじめたくさん用意しておき、お客さんごとに必要なサービスを提供し、不必要なサービスを出さないようにしているだけだ。
お客さんは自分に必要のない情報や、関心のないパンフレットが机の上にたくさん置いてあると、「ああ宣伝か」「ああ売り込みか」と思うけれど、関心や興味のあるモノだけが置いてあると楽しくなる。
またたとえば顧客がスヌーピー好きならば、スヌーピーの置物がさりげなく置いてあるとうれしいはず。
ハローキティが好きなら、ハローキティのグッズがさりげなく置かれていると、それだけで気分も違うだろう。
ホテル側には備品として、スヌーピーの置物やキティのグッズなど様々なキャラクターグッズがたくさん用意されていて、お客さんの趣味に合わせてそれを置き換えているだけなのだが、「自分のために特別に用意してくれたんだ」「自分のことを良く知ってくれているんだ」という気分でうれしくなる。
こういうのがマス・カスタマイズで、女性がされたい「特別扱い」は、まさにこういうことらしい。