少女マンガの主人公はなぜ目がでかい?
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女の子向けのマンガやアニメを見ると、大きな瞳の主人公に違和感を覚えることが多い。
少年マンガと少女マンガの大きな違いは、主人公の女の子の瞳を大きく丸く描くと言うことでかつては、少女マンガの主人公=瞳が顔の半分くらいあるというのが当り前であった。
こういうデフォルメが、いつ頃に成立したのかはよくわからない。
というのも初期の少女マンガでは、マンガの作家は男性作家ばかりで、少女マンガの場合は瞳を多少大き目に描く程度だったから。
たとえば横山光輝さんの「魔法使いサリー」とか手塚治虫「リボンの騎士」などを見ても、目の大きさはせいぜい3分の1か4分の1程度で、黒目の部分・瞳の大きさはさほど大きくなかった。
目を大きく顔の半分くらいの縦長に描いたのは赤塚不二夫さんの「秘密のアッコちゃん」だが、それでも縦長に描いただけで、瞳は丸くないし、白目の部分も大きい。
だから女性の漫画家が増えて、少女マンガの描き手が殆ど女性になる頃に、女性作家から見てかわいい女の子のイメージとして、瞳がほぼ真ん丸で、瞳にキラキラと星が光るような描き方が定着したのだろう。
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女性にとって「かわいい」は正義?
少女マンガでは、主人公の女の子の瞳(黒目)を大きく描く事が多い。
幼児や赤ん坊などの瞳も大きく描かれる。
ただしそれは主要キャラに限ったことで、敵キャラはみんなキツい目をしていたりする。
たとえば大ヒットアニメである美少女戦士セーラームーンのキャラクターを見ても、セーラー戦士たちの目は丸い大きな瞳だが、セーラー戦士以外のキャラクターの瞳は小さい。
つまりここでは「瞳が丸くて大きい=特別にかわいい=正しい」という図式になっていて、瞳が大きいのは正義・正しい側であるという表現も兼ねているらしい。
つまり女性にとって、瞳が丸くて大きいというのは、かわいいと言うだけではなくて「正しい」ってことだ。
そして逆に瞳が小さくて丸くないと言うのは、かわいくないし、敵であるということにもなる。
人間は好意を持つモノを見るときには瞳孔が開き、逆に嫌いなものや不快なモノを見るときには瞳孔が閉じる。
つまり好き嫌いが目に出てしまうわけだが、色に敏感な女性の目には、その大きさで相手の心理状態が判断できるのかも知れない。
それなら味方側の瞳が大きく描かれ、敵側の目が小さく描かれるのも当然だろう。