男の目は赤や黄色に鈍感にできている
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人間はLMSの三つの錐体細胞で色の違いを見分ける。
赤色や黄色に反応するのがL錐体、黄色から緑色に反応するのがM錐体、青色に反応するのがS錐体である。
比率としてはL錐体が一番多く、S錐体が一番少ない。
LとMの比率は個人差があるが、S錐体は6%ほどだという。
この三つの錐体が網膜の中央にかたまって存在していて、弱い光に反応する桿体細胞は中央部には少ない。
つまり中央に見えているモノの色はよく判別できるが、中央以外に見えているモノの色は判別しにくいってことだ。
そしてさらに色を見分ける力には、男女差が大きい。
たとえば赤色や緑色の違いが見分けられない「先天赤緑色覚異常」は、かなりの確率で男性に発生する。
白人男性では8%も発生するが、白人女性では0.5%。
日本人男性は4.5%だが、日本人女性では0.16%。
ざっと15倍から30倍くらいの差である。
というのも赤や緑色に反応するL錐体とM錐体の光受容タンパクの遺伝子は、性染色体であるX染色体上にのみあって、Y染色体にはないからだ。
歯科医のホワイトニング
男の目は動くモノの形や速度を見るのに長けている
女の子の場合はX染色体が2本あるので、色覚異常の遺伝子が2本そろわないかぎり赤色や緑色の区別はつく。
ところが男の子の場合はX染色体が1本しかないので、色覚異常が現われやすかったり、赤や黄色に対する感度が悪かったりする。
つまり男の子というのはどちらかというと赤や黄色に鈍感なので、黒やグレーや青色系の色を好むのだと考えられる。
つまり男の子の目には、赤や黄色より青色がきれいに見えると言うことだ。
また網膜に関しては、もう一つ性差があって、男の子の網膜は女の子の網膜よりも分厚く、しかも白黒を見分ける桿体につながっているM細胞の割合が多い。
このM細胞というのは、WHERE経路というモノの位置情報や速度を見極めている脳の部分につながっており、要するに男の子というのはモノの形や速度に反応しやすくなっているんだね。
逆に女の子の網膜には、男の子ほどM細胞がないために、錐体がつながっているP細胞の比率が高くなっている。
P細胞はWHAT経路という、目に見えたモノが何なのか判断していると考えられる脳の部分につながっていて、だから女の子というのは男の子ほど形や速度に反応しないらしい。